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人工膝関節の手術前後こそ運動が大切|病院リハビリ後も歩く力を戻す|札幌 琴似

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人工膝関節の手術前後こそ運動が大切|病院リハビリ後も歩く力を戻す|札幌 琴似

人工膝関節の手術前後こそ運動が大切|病院リハビリ後も歩く力を戻す|札幌 琴似

2026/07/25

ホームブログ膝の痛み・変形性膝関節症

変形性膝関節症 全5回シリーズ・第4回 | 理学療法士が文献ベースで解説

人工膝関節手術は、強い痛みや変形による生活制限を改善する重要な治療です。しかし、人工関節へ置き換えることで改善するのは主に関節面と痛みであり、低下した筋力、歩き方、持久力、外出習慣まで自動的に戻るわけではありません。手術前の準備と、退院後も継続する運動が、再び買い物や旅行を楽しめる身体へ戻るために重要です。

監修:リハビリジム プライズネス(理学療法士) / 最終更新日:2026年7月25日 / 読了:約14分

手術を勧められた方へ
手術を受けることは「運動で治せなかった失敗」ではありません。保存療法で生活制限が十分に改善しない場合、手術は合理的な選択肢です。大切なのは、手術の前後に身体機能を整えることです。
第4回の結論
手術は「痛みを軽くし、動き直す機会をつくる治療」です。手術前に少しでも体力を保ち、術後早期から安全に動き、退院後も筋力と活動量を高めていくことで、手術の効果を日常生活へつなげられます。

人工膝関節は、筋肉を交換する手術ではありません

人工膝関節全置換術(TKA)では、傷んだ関節面を人工物へ置き換えます。多くの方で痛みや自己評価による身体機能は改善しますが、手術前に弱くなった大腿四頭筋や殿筋が、手術だけで元へ戻るわけではありません。

2022年の系統的レビューでは、手術側の大腿四頭筋力は術後早期に大きく低下し、その後も数か月かけて回復すると報告されています。したがって、膝を伸ばす筋肉を意識的に鍛え、神経と筋肉の働きを回復させる必要があります。[6]

「痛みが減った=脚の機能が戻った」ではありません。
痛み、膝の曲げ伸ばし、筋力、立ち上がり、歩行速度、階段、外出量は、それぞれ別に評価する必要があります。

手術前の運動は「術後のための貯金」

手術を待つ間に痛みを避けて動かなくなると、筋力、持久力、バランス、生活範囲がさらに低下します。手術前の運動、栄養、生活指導などをまとめて「プレハビリテーション」と呼びます。

研究では、プレハビリによって手術前の筋力や機能が改善し、入院期間が短くなる可能性が示されています。一方、プログラム内容が研究ごとに異なり、術後の長期成績まで確実に改善すると断定できるほど根拠は強くありません。「やれば必ず術後が良くなる」と誇張せず、手術までの機能低下を防ぎ、安全に術後へ移行する準備として考えるのが適切です。[3][7]

手術前に準備したいこと
・大腿四頭筋と殿筋の筋力をできる範囲で保つ
・膝が伸びきらない状態を悪化させない
・杖や歩行器の使い方を確認する
・椅子からの立ち上がり、階段を練習する
・たんぱく質と総摂取量を不足させない
・退院後の生活動線と家族の協力を確認する

手術後は、状態が許せば早期から動き始めます

APTAの人工膝関節術後リハビリテーション指針では、理学療法を手術後24時間以内から開始し、退院前に移動能力や安全性を評価することが推奨されています。早く動く目的は無理に歩かせることではなく、合併症を防ぎ、ベッド上生活による筋力低下を最小限にすることです。[2]

ただし、荷重方法、可動域制限、装具、運動開始時期は、手術方法や合併症によって異なります。医師や病院の理学療法士から受けた指示が最優先です。

退院した時点は、リハビリの終了ではありません

退院の基準は、病院で安全に生活できる最低限の移動能力が整ったかどうかです。旅行へ行ける、長時間買い物ができる、雪道を安全に歩けるといった個人の生活目標まで回復したことを意味しません。

2025年の系統的レビューでは、人工膝関節後に自己申告による機能は改善する一方、歩行試験や立ち上がりなど実測された身体機能の改善は一様ではありませんでした。本人が「良くなった」と感じることと、実際の筋力や歩行能力が十分に戻ることは、必ずしも同じではありません。[8]

手術で痛みが減っても、活動量は自動的には増えません

人工関節手術後は痛みや生活の質が大きく改善することがあります。しかし、身体活動量を客観的に測定した研究では、術後6か月では明確に増えず、12か月でも増加は小〜中程度にとどまると報告されています。長年の「動かない習慣」は、痛みが軽くなっただけでは変わりにくいためです。[5]

運動療法と身体活動は別の課題です。
週に数回トレーニングしても、それ以外の時間をほとんど座って過ごせば、持久力や生活範囲は十分に戻りません。筋力トレーニングに加え、歩行時間、外出回数、日常の立位時間も段階的に増やします。

第4回:人工膝関節の手術は「終わり」ではなく、新しいスタートです

保存療法を十分に行っても、強い痛みや変形によって生活が大きく制限される場合、人工膝関節置換術は重要な選択肢です。手術を勧められたことを「自分の努力が足りなかった」と感じる必要はありません。

一方、人工関節へ替えれば、長年弱った筋肉、膝の硬さ、左右差、歩行習慣まで自動的に元へ戻るわけではありません。手術は関節面を治療し、運動はその膝を生活で使える身体へ戻す役割を持ちます。

手術を検討するタイミング

2023年のACR・AAHKSガイドラインは、中等度から重度の症候性関節症があり、適切な保存療法で十分な改善が得られず、手術を選択した患者について、追加の理学療法や注射を行うためだけに手術を一律に3か月以上遅らせることを推奨していません。

運動で手術を永久に避けることだけが成功ではありません。
運動しても生活が著しく制限される場合、手術の利益とリスクを整形外科で相談することが必要です。

手術前に運動する意味

手術前の運動、いわゆるプレハビリテーションは、術前の筋力、知識、自信を高め、術後の準備を整える目的で行われます。2025年のレビューでは、対象や介入によって結果は一定しないものの、術前の筋力や精神面、入院期間などに有益な可能性が報告されています。

手術前に準備したいこと
・大腿四頭筋、殿筋、上肢の筋力
・反対側の脚で支える能力
・歩行器や杖の使い方
・膝を伸ばす可動域
・術後の運動と痛みへの理解
・退院後の生活動線と家族の支援

術後は早期から身体を動かす

APTAの人工膝関節術後ガイドラインは、原則として術後24時間以内、退院前から理学療法を開始することを推奨しています。早期離床、歩行、関節可動域、筋力、バランス、機能練習を、全身状態と手術内容に合わせて進めます。

術後早期には、痛み、腫れ、筋肉がうまく働かない状態が起こります。特に大腿四頭筋は大きく低下しやすく、単に歩くだけでは十分に回復しないことがあります。

病院のリハビリが終わっても、回復は終わっていません

人工関節後の身体活動を調べた系統的レビューでは、術後6か月の客観的活動量は術前からほとんど増えず、1年後も健康な人より低い傾向が報告されました。痛みが改善しても、外出習慣や歩数が自然に戻るとは限りません。

2025年の系統的レビューとメタ解析では、手術前後の身体活動介入が、人工膝・股関節後の活動量を改善する可能性が示されています。つまり、筋力訓練だけでなく、「実際に動く生活」へ戻す支援が必要です。

手術で痛みが減ったのに、長く歩けない。
それは手術が失敗したとは限りません。筋力、持久力、バランス、活動習慣の回復が残っている可能性があります。

手術後に確認したい5つの回復

  • ① 膝が伸びる 伸展制限は立位と歩行を難しくします。主治医の指示に従い可動域を整えます。
  • ② 膝を支える筋力 大腿四頭筋と殿筋を段階的に強化します。
  • ③ 左右へ体重をかける 手術側を避け続ける歩き方を修正します。
  • ④ 階段・方向転換 生活で必要な動作を具体的に練習します。
  • ⑤ 持久力と活動量 短時間歩行から、買い物や旅行に必要な距離へ広げます。

手術後の相談をためらわなくてよい理由

「もう病院のリハビリは終わったから」「手術をしたのだから、これ以上よくならない」と考える必要はありません。退院後の回復速度には個人差があります。筋力や歩行を測り、適切な負荷へ更新することで、生活機能がさらに改善する方もいます。

リハビリジム プライズネスでできること

手術前の体力づくり、退院後の筋力・歩行・活動量回復に対応します。手術内容と医師からの注意事項を確認し、膝伸展筋力、可動域、歩行、足圧を測りながら、病院卒業後の生活へつなげます。

病院のリハビリ卒業後も、回復は続けられます。
手術前の準備、退院後の筋力低下、歩き方、活動量でお困りの方へ。主治医の指示に配慮しながら、生活へ戻る運動を支援します。
完全予約制/地下鉄東西線「琴似」駅 徒歩約5分(札幌市西区琴似2条3-1-1 チェストオオイビル3階)

参考文献

1. Hannon CP, et al. 2023 American College of Rheumatology and American Association of Hip and Knee Surgeons Clinical Practice Guideline for the Optimal Timing of Elective Hip or Knee Arthroplasty. Arthritis Care Res. 2023.

2. Jette DU, et al. Physical Therapist Management of Total Knee Arthroplasty. Phys Ther. 2020;100:1603-1631. DOI: 10.1093/ptj/pzaa099

3. Konnyu KJ, et al. Prehabilitation for Total Knee or Total Hip Arthroplasty: A Systematic Review. Am J Phys Med Rehabil. 2023;102:1-10. PMID: 35302954

4. Petterson SC, et al. Improved Function From Progressive Strengthening Interventions After Total Knee Arthroplasty. Arthritis Rheum. 2009;61:174-183. PMID: 19177542

5. Hammett T, et al. Changes in Physical Activity After Total Hip or Knee Arthroplasty: A Systematic Review and Meta-Analysis. Arthritis Care Res. 2018;70:1087-1098. PMID: 28898559

6. Paravlic AH, et al. The Time Course of Quadriceps Strength Recovery After Total Knee Arthroplasty Is Influenced by Body Mass Index, Sex, and Age of Patients. Front Med. 2022;9:865412. PMID: 35692543

7. Gränicher P, et al. Prehabilitation Improves Knee Functioning Before and Up to 3 Months After Total Knee Arthroplasty: A Systematic Review With Meta-Analysis. J Orthop Sports Phys Ther. 2022;52:709-725. DOI: 10.2519/jospt.2022.11160

8. Orange GM, et al. Physical Function Following Total Knee Arthroplasty for Osteoarthritis: A Systematic Review and Meta-analysis. 2025. PMID: 39741451

9. Singla R, et al. The Course of Knee Extensor Strength After Total Knee Arthroplasty: A Systematic Review With Meta-analysis. 2023. PMID: 36637491

手術後の荷重、可動域、運動制限は、手術方法、合併症、主治医の方針によって異なります。傷の赤み・排液、発熱、急激な腫れ、ふくらはぎ痛、息苦しさがある場合は、速やかに医療機関へ連絡してください。

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