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認知症予防に本当に効果が期待できる方法とは?運動・食事・社会参加を最新研究から解説【札幌・琴似】

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認知症予防に本当に効果が期待できる方法とは?運動・食事・社会参加を最新研究から解説【札幌・琴似】

認知症予防に本当に効果が期待できる方法とは?運動・食事・社会参加を最新研究から解説【札幌・琴似】

2026/07/29

認知症予防シリーズ 第2部

認知症予防に本当に効果が期待できる方法とは?

この記事は 第1部「認知症は要介護原因第1位」 の続編です。

認知症は予防できますか?

「認知症は年齢とともに必ずなるものなのでしょうか?」 外来やリハビリの現場でも、この質問を受けることがあります。 結論から言えば、 認知症を完全に予防する方法は、現在の医学では見つかっていません。 しかし一方で、 生活習慣を改善することで、発症を遅らせたり、リスクを下げたりできる可能性 があることは、多くの研究から明らかになってきました。

2024年に発表された世界的な認知症研究グループ Lancet認知症委員会 では、 認知症の約45%は修正可能な危険因子への対策によって、 発症を遅らせられる可能性 があると報告しています。 つまり、 「年だから仕方ない」 ではなく、 今からできることがある ということです。

 


30秒で分かるこの記事の結論

  • 認知症は完全には予防できない
  • 約45%は生活習慣の改善で発症を遅らせられる可能性がある
  • 脳トレだけでは十分ではない
  • 運動・筋力・食事・血圧管理・社会参加が重要
  • 歩ける身体を維持することは認知症予防にもつながる可能性がある

脳トレだけでは足りない理由

以前は、 「脳を使えば認知症を防げる」 という考え方が一般的でした。 そのため、 計算ドリル 漢字 パズル ゲーム など、 いわゆる「脳トレ」が広く普及しました。 もちろん、 認知的な刺激そのものは大切です。 しかし、 現在の研究では、 脳だけを鍛えるより、 身体・生活・社会参加を含めた生活全体を整えることが重要 だと考えられています。

例えば、 身体を動かすことで血流が改善し、 脳へ酸素や栄養が届きやすくなります。 また、 筋力を維持できれば、 外出しやすくなり、 人と会話する機会が増え、 結果として脳へ様々な刺激が入ります。 つまり、 身体と脳は別々ではなく、 密接につながっている のです。

世界では認知症予防をどう考えているのでしょうか?

現在、 認知症予防について最も参考にされている代表的な研究があります。

  • Lancet認知症委員会2024
  • WHO(世界保健機関)認知症リスク低減ガイドライン
  • FINGER研究(フィンランド)

これらは世界中の研究をまとめたものであり、 現在の認知症予防の基本的な考え方となっています。 共通していることは、 認知症予防は一つの方法ではなく、 複数の生活習慣を組み合わせることが重要 という点です。

理学療法士として感じること

私は急性期病院で18年間、 多くの高齢者を担当していました。 その中で感じるのは、 認知症だけが単独で進行する方は少なく、 歩行能力の低下、 筋力低下、 外出機会の減少、 社会参加の低下などが重なっているケースが非常に多いということです。 もちろん、 「足腰が悪くなると認知症になる」と断定することはできません。 しかし、 身体機能を維持することは、 認知症予防で推奨されている身体活動や社会参加を続けるための土台になると考えています。

認知症の約45%は予防・遅延できる可能性

2024年に公表された Lancet認知症委員会の報告では、 認知症の約45%は、14の修正可能なリスク因子への対策によって、 発症を予防したり遅らせたりできる可能性がある と推計されました。

ここで注意したいのは、 「生活習慣を改善すれば、認知症の45%が必ず治る」 という意味ではない ことです。

認知症には、年齢、遺伝的要因、脳血管障害、神経変性疾患など、 自分では変えられない要因も関係します。 一方で、運動不足や高血圧、糖尿病、難聴、社会的孤立など、 対策できる可能性のある要因もあります。 Lancet委員会が示した約45%という数字は、 これらの修正可能な要因が集団全体の認知症発症に どの程度関係しているかを推計したものです。

「約45%」の正しい受け止め方

  • 認知症を完全に防げるという意味ではありません
  • 一人ひとりの発症確率が一律に45%下がるという意味でもありません
  • 複数のリスク因子を社会全体で減らした場合の推計です
  • 若い時期から高齢期まで、人生を通じた対策が重要です

認知症に関係する14の修正可能なリスク因子

Lancet認知症委員会は、認知症リスクに関係する要因を、 人生の時期に応じて整理しています。 2024年の報告では、従来の12因子に、 高LDLコレステロール 未治療の視力低下 が新たに加えられました。

若年期に関係する要因

1

教育機会の不足

若い時期の教育や学習機会は、 脳が加齢や病気による変化へ対応する力である 「認知予備能」と関係すると考えられています。 これは学歴だけで人を評価するという意味ではありません。 成人後も、新しいことを学ぶ、考える、人と話す、 趣味に取り組むといった知的活動を続けることが大切です。

中年期から特に注意したい要因

2.難聴

聞こえにくさを放置すると、会話の理解に多くの注意力を使い、 人との交流を避けるようになることがあります。 難聴がある場合は、耳鼻咽喉科で評価を受け、 必要に応じて補聴器などを検討することが重要です。

3.高LDLコレステロール

LDLコレステロールが高い状態は、 動脈硬化や脳血管障害のリスクと関係します。 食事や運動だけでなく、数値によっては 医師の管理のもとで薬物療法を行うことも必要です。

4.高血圧

高血圧は脳の細い血管に負担をかけ、 脳梗塞や脳出血だけでなく、 長期的な認知機能低下にも関係します。 特に中年期からの血圧管理が重要です。

5.肥満

中年期の肥満は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、 身体活動低下など複数のリスク因子と重なりやすくなります。 ただし、高齢者が無理に体重を落とすと、 筋肉まで減少する可能性があります。 体重だけでなく、筋肉量や栄養状態を含めて考えることが必要です。

6.過度の飲酒

多量の飲酒は脳や肝臓への影響だけでなく、 転倒、睡眠障害、高血圧、栄養不足などにもつながります。 飲酒量が多い方は、急に自己判断で中断するのではなく、 必要に応じて医療機関へ相談することも大切です。

7.頭部外傷

頭部外傷を繰り返すことは、将来の認知症リスクと関係します。 交通事故、スポーツ外傷だけでなく、 高齢者では転倒による頭部打撲を防ぐことが重要です。

高齢期にも関係する要因

8.身体活動不足

身体活動不足は、心肺機能、筋力、血管の健康、 気分、睡眠など多方面へ影響します。 認知症予防では、単に運動時間を確保するだけでなく、 座っている時間を減らし、日常生活の活動量を維持することも重要です。

9.糖尿病

糖尿病は、脳血管障害や全身の血管障害、 慢性的な炎症などを通して認知症リスクと関係します。 血糖値だけでなく、血圧、脂質、体重、運動習慣を 総合的に管理することが大切です。

10.喫煙

喫煙は血管を傷つけ、脳卒中や心血管疾患のリスクを高めます。 禁煙は何歳からでも健康上の利益が期待できます。 自力での禁煙が難しい場合は、 禁煙外来などの専門的な支援を利用する方法があります。

11.うつ病

うつ状態では、活動量、食欲、睡眠、人との交流が低下しやすくなります。 一方で、認知症の初期にうつ症状が現れることもあり、 両者の関係は単純ではありません。 気分の落ち込みや意欲低下が続く場合は、 年齢のせいと考えず、医療機関へ相談することが大切です。

12.社会的孤立

人との交流が少ない状態は、 認知的刺激の減少、身体活動低下、抑うつなどと重なりやすくなります。 大人数の集まりに参加することだけが社会参加ではありません。 家族との会話、友人との電話、買い物、地域活動、 趣味の教室なども大切な社会とのつながりです。

13.大気汚染

大気汚染への長期的な曝露も、 認知症に関係する環境因子として挙げられています。 個人だけでは解決しにくい問題であり、 地域や社会全体で取り組む必要があります。

14.未治療の視力低下

視力が低下すると、読書や外出、運転、 人との交流などが難しくなり、活動範囲が狭くなる可能性があります。 白内障や眼鏡で改善できる視力低下を放置せず、 眼科で適切な評価と治療を受けることが重要です。

14の因子は、それぞれ独立しているわけではありません

例えば、膝や腰の痛みによって外出が減ると、 身体活動が減り、人と会う機会も少なくなる可能性があります。 さらに、体重増加、血圧や血糖の悪化、 気分の落ち込みなどが重なることもあります。 このように、認知症のリスク因子は単独で存在するのではなく、 互いに影響し合いながら重なっていくことがあります。 そのため、一つだけを改善するのではなく、 生活全体を見直すことが重要です。

WHOが示す認知症リスク低減の基本

WHO(世界保健機関)も、 認知機能低下と認知症のリスクを減らすためには、 一つの特別な方法に頼るのではなく、 身体活動や生活習慣、持病、感覚機能などを 総合的に管理することが重要 としています。

認知症予防というと、 脳トレや特定の食品、サプリメントに注目が集まりやすいですが、 国際的なガイドラインが重視しているのは、 より基本的な健康管理です。

身体を動かす

有酸素運動、筋力トレーニング、日常生活での身体活動を、 体力や病気の状態に合わせて継続します。

血管を守る

高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などを管理し、 脳卒中や心血管疾患のリスクを減らします。

食生活を整える

野菜、果物、魚、豆類、全粒穀物などを取り入れ、 過剰な塩分、糖分、飽和脂肪酸を控えます。

脳を使う

読書、学習、趣味、会話、認知トレーニングなどを通じて、 知的な刺激を維持します。

人とつながる

家族、友人、地域との交流を保ち、 孤立を防ぐことも重要です。

聞こえと視力を守る

難聴や視力低下を放置せず、 医療機関で評価を受けて適切に対応します。

サプリメントだけに頼らない

特定のサプリメントを飲むだけで、 認知症を確実に予防できるという十分な根拠はありません。 不足している栄養素を医師の判断で補うことはありますが、 基本となるのは、食事、運動、持病の管理、 知的活動、社会参加を含めた生活全体です。

FINGER研究が示した「組み合わせる予防」

認知症予防において重要な転機となった研究の一つが、 フィンランドで実施された FINGER研究です。

FINGERは、 Finnish Geriatric Intervention Study to Prevent Cognitive Impairment and Disability の略で、日本語では、 「認知機能低下と生活機能障害を予防するための フィンランド高齢者介入研究」 と訳すことができます。

FINGER研究の概要

対象
認知症リスクが高い60~77歳の男女1,260人
研究期間
2年間
比較
多面的な生活介入を行う群と、一般的な健康助言を受ける対照群
主な評価
記憶、処理速度、実行機能などを含む認知機能

FINGER研究で組み合わせた4つの介入

01

食事指導

野菜、果物、魚、全粒穀物、低脂肪食品などを取り入れ、 栄養バランスを整える指導が行われました。

02

運動

有酸素運動だけでなく、 筋力トレーニングやバランス運動などを組み合わせました。

03

認知トレーニング

記憶、注意、処理速度、実行機能などを使う課題に取り組みました。

04

血管リスク管理

血圧、血糖、脂質、体重などを定期的に確認し、 必要に応じて医療機関での治療につなげました。

FINGER研究で分かったこと

2年間の研究の結果、 食事、運動、認知トレーニング、 血管リスク管理を組み合わせた介入群では、 対照群と比べて、総合的な認知機能の改善または維持に 有利な結果 が認められました。

特に、情報を素早く処理する能力や、 計画を立てて行動する実行機能などで、 介入群に有利な変化が示されました。

ただし、この研究は 「介入によって認知症の発症が完全に防げた」 ことを証明した研究ではありません。 認知症リスクのある高齢者に対して、 複数の生活習慣へ同時に介入することで、 認知機能を維持・改善できる可能性を示した研究です。

FINGER研究の重要なメッセージ

認知症予防は、「何か一つ」を行うのではなく、 複数の対策を組み合わせることが重要です。

  • ウォーキングだけを行う
  • 脳トレだけを行う
  • 特定の食品だけを食べる
  • サプリメントだけに頼る

このような一つだけの方法よりも、 身体を動かす、筋力を保つ、食事を整える、 持病を管理する、脳を使う、人と交流する といった対策を組み合わせることが、 現在の認知症予防の基本的な考え方です。

理学療法士が考える「歩けること」の価値

Lancet委員会、WHO、FINGER研究に共通するのは、 認知症予防を脳だけの問題として考えていないことです。 身体活動、生活習慣病、感覚機能、社会参加など、 生活を構成する複数の要素が重視されています。

プライズネスでは、 その生活を支える重要な土台の一つが、 「自分の足で移動できること」 だと考えています。

足腰の筋力やバランスが低下する
歩行や外出が難しくなる
身体活動と人との交流が減る
認知症に関係する複数のリスク因子が重なる可能性

この流れは、 「足腰が弱ると必ず認知症になる」 という因果関係を示したものではありません。 身体機能の低下と、活動量、社会参加、気分、 認知機能との間には双方向の関係があり、 どれか一つだけが原因とは限りません。

しかし、歩く力を維持することは、

  • 買い物へ行く
  • 友人と会う
  • 病院へ通う
  • 趣味を続ける
  • 地域活動へ参加する
  • 旅行や外食を楽しむ

といった生活を続けるための土台になります。 その意味で、足腰の筋力、バランス、持久力を維持することは、 認知症予防で推奨されている身体活動や社会参加を 継続するためにも重要だと考えています。

プライズネスが大切にしている考え方

認知症予防のために運動するのではなく、 好きな生活を続けるために身体を整える。

歩いて買い物へ行く。 家族と旅行する。 友人と食事をする。 趣味や地域での役割を続ける。 その一つひとつが身体活動となり、 人との交流となり、脳への刺激にもなります。 認知症予防とは、認知症だけを恐れて行う特別な対策ではなく、 自分らしい生活を長く続けるための健康づくりでもあります。

今日から始められる認知症予防

ここまでご紹介したように、 現在の認知症予防は 「何か一つだけを頑張る」 ものではありません。 大切なのは、 生活全体を少しずつ整えること です。 では、 実際には何から始めれば良いのでしょうか。


① まずは身体を動かす習慣を作る

WHOでも最も推奨されているのが 身体活動です。

身体活動というと ウォーキングを思い浮かべる方が多いと思います。 もちろん歩くことは大切ですが、 それだけではありません。

身体活動とは

  • 歩く
  • 買い物へ行く
  • 掃除をする
  • 庭仕事をする
  • 階段を使う
  • 犬の散歩をする
  • 趣味で出掛ける

日常生活で身体を動かすすべてが 身体活動です。

「運動しなければ」 と考えるよりも、 今より少し身体を動かす という意識が継続しやすくなります。


② 筋力を維持することが生活を守る

認知症予防というと、 脳のことばかり考えてしまいます。 しかし、 歩く力を維持するためには 筋肉が必要です。

特に重要なのが

  • 太もも(大腿四頭筋)
  • お尻(大殿筋・中殿筋)
  • ふくらはぎ
  • 体幹

これらの筋肉です。 筋力が低下すると 歩く速度が遅くなり、 外出すること自体がおっくうになります。

理学療法士からのワンポイント

「歩いているから筋トレはいらない」 と思われる方も少なくありません。 しかし、 加齢による筋力低下を防ぐためには、 ウォーキングだけでは十分とは言えない場合があります。 スクワットや立ち座り運動など、 筋肉へ適度な負荷をかける運動も組み合わせることが大切です。


③ 人と会うことも認知症予防

Lancetでも 社会的孤立は重要な危険因子として挙げられています。

高齢になると 身体の衰えだけではなく、 退職、 配偶者との死別、 友人との交流減少など、 人とのつながりが減る方も少なくありません。

しかし、 会話には 記憶、 注意、 言語、 判断、 感情など、 脳の多くの機能が使われています。 つまり、 会話そのものが脳への刺激 になります。


④ 趣味を続けることにも意味があります

趣味は 「楽しみ」 だけではありません。

旅行 園芸 写真 料理 囲碁 カラオケ ゴルフ 麻雀 スポーツ観戦 など、 趣味には 身体活動 社会参加 認知刺激 が自然に含まれています。

好きなことを続けることは、 結果として認知症予防につながる可能性があります。


⑤ 札幌では冬の活動量低下にも注意

札幌では、 冬になると雪や路面凍結により、 外出する機会が減る方が少なくありません。

外出が減ることで、 身体活動量、 歩数、 筋力、 社会参加が低下しやすくなります。

実際、 転倒を心配して冬はほとんど外へ出ない という方も多くいらっしゃいます。

札幌だからこそ考えたいこと

冬に活動量が落ちないよう、 屋内で歩く、 運動教室へ参加する、 リハビリ施設を利用するなど、 身体を動かす環境を作ることも大切です。


プライズネスが考える認知症予防

私たちは、 認知症だけを予防するために 運動をするのではなく、 「好きな生活を続けるための身体づくり」 を目指しています。

歩けるから旅行へ行ける。 歩けるから友人と会える。 歩けるから買い物へ行ける。 歩けるから地域活動へ参加できる。

その結果として、 身体活動や社会参加が維持され、 認知症予防で推奨されている生活習慣にもつながっていきます。

認知症予防のゴール

認知症にならないことではなく、 好きな人と、 好きな場所へ行き、 好きなことを、 できるだけ長く続けられること。

私たちは、そのための身体づくりをサポートしています。

認知症予防でよくある5つの誤解

誤解① 脳トレだけ続ければ認知症は防げる

脳トレは認知機能へ刺激を与える方法の一つですが、 それだけで認知症を予防できることは証明されていません。 現在の国際的なガイドラインでは、 運動・食事・血圧管理・社会参加・認知活動を組み合わせること が重要とされています。


誤解② サプリメントを飲めば安心

特定のサプリメントだけで認知症を予防できるという十分な科学的根拠はありません。 まずは栄養バランスの良い食事を基本とし、 必要に応じて医師の指導のもとで補うことが勧められます。


誤解③ 高齢になってからでは遅い

決して遅くありません。 認知症予防は若い頃から取り組むことが理想ですが、 身体活動や生活習慣の改善は、 高齢になってからでも健康維持に役立つ可能性があります。


誤解④ 毎日ウォーキングだけで十分

歩くことは重要ですが、 加齢による筋力低下を防ぐためには、 筋力トレーニングも組み合わせること が勧められています。


誤解⑤ 認知症予防は脳だけの問題

認知症は脳の病気ですが、 予防では身体活動、 生活習慣病、 難聴、 視力、 社会参加など、 生活全体を考えることが重要です。

この記事のまとめ

  • 認知症を完全に予防する方法は現在ありません。
  • Lancet認知症委員会では約45%は修正可能な危険因子への対策で発症を遅らせられる可能性が示されています。
  • 運動だけではなく、筋力・食事・血圧管理・糖尿病管理・社会参加・難聴・視力への対応も重要です。
  • FINGER研究では複数の生活習慣へ同時に介入することの重要性が示されました。
  • 身体を動かし続けられることは、社会参加や趣味を続ける土台になります。

理学療法士として最後にお伝えしたいこと

認知症予防という言葉を聞くと、 「認知症にならないため」 ということばかり考えてしまいます。 しかし、 本当に大切なのは "自分らしい生活を続けられる身体" ではないでしょうか。

歩いて買い物へ行ける。 友人と食事へ行ける。 趣味を楽しめる。 旅行へ行ける。 地域活動へ参加できる。

その生活そのものが、 身体活動となり、 社会参加となり、 脳への刺激にもつながります。

私たちプライズネスは、 認知症だけを見るのではなく、 「好きなことを続けられる身体づくり」 を大切にしています。

よくある質問(FAQ)

Q. 認知症は予防できますか?

完全に予防する方法はありませんが、生活習慣を改善することで発症を遅らせられる可能性があります。

 

Q. 一番おすすめの運動は?

ウォーキングだけではなく、筋力トレーニング、有酸素運動、バランス運動を組み合わせることが勧められます。

 

Q. 脳トレは意味がありますか?

認知的刺激として有用ですが、それだけでは十分とは言えません。

 

Q. サプリメントは必要ですか?

特定のサプリメントだけで認知症を予防できるという十分な科学的根拠はありません。

 

Q. 何歳から始めるべきですか?

早いほど望ましいですが、高齢になってからでも生活習慣を改善する意義があります。

 

Q. 歩くことと認知症は関係ありますか?

歩くこと自体が認知症を予防すると断定はできませんが、身体活動や社会参加を維持するために重要な役割を果たします。

 

Q. 週にどのくらい運動するとよいですか?

WHOでは中等度以上の有酸素運動を週150分程度行うことが推奨されています。体力や持病に応じて無理のない範囲で継続しましょう。

次回予告

第3部では、 「歩く速度で認知症リスクは分かるのか?」 をテーマに、 歩行速度と認知機能との関係について、 最新研究をもとに解説します。

参考文献

  1. Livingston G, et al. Dementia prevention, intervention, and care: 2024 report of the Lancet Standing Commission.
  2. World Health Organization. Risk Reduction of Cognitive Decline and Dementia.
  3. Ngandu T, et al. A 2-year multidomain intervention of diet, exercise, cognitive training, and vascular risk monitoring versus control to prevent cognitive decline in at-risk elderly people (FINGER).
  4. Alzheimer's Association. 2025 Alzheimer's Disease Facts and Figures.

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