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認知症予防|要介護の原因第1位「認知症」は脳だけでは防げない|世界の最新研究から考える予防法【札幌・琴似】

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認知症予防|要介護の原因第1位「認知症」は脳だけでは防げない|世界の最新研究から考える予防法【札幌・琴似】

認知症予防|要介護の原因第1位「認知症」は脳だけでは防げない|世界の最新研究から考える予防法【札幌・琴似】

2026/07/28

認知症予防シリーズ 第1回

認知症予防|要介護の原因第1位「認知症」は脳だけでは防げない
世界の最新研究から考える予防法【札幌・琴似】

札幌市西区琴似・リハビリジム プライズネス

認知症予防というと、計算問題やパズルなどの「脳トレ」を思い浮かべる方が多いかもしれません。 しかし現在の世界的な認知症対策は、脳だけではなく、足腰、身体活動、血圧、糖尿病、聴力、社会とのつながりまで含めて考える方向へ進んでいます。

日本では、認知症が介護を必要とする主な原因の第1位となっています。 そのため、認知症は本人や家族だけの問題ではなく、日本社会全体で取り組む必要がある重要な課題です。

一方で、「認知症予防のためには頭を使えばよい」「外出して人と話せばよい」といった説明だけでは、実際の生活で何をすればよいのか分かりにくいのではないでしょうか。

私は理学療法士として、病院やリハビリ施設で多くの高齢者の身体機能と生活を見てきました。 その経験から、認知機能の低下を考えるうえでは、脳だけではなく、まず「自分の足で動ける状態を維持できているか」という視点が重要だと考えています。

この記事の結論

認知症は脳だけの問題ではありません。足腰の衰えによって活動量や外出が減り、人との交流や生活上の役割が失われると、身体・心理・社会の複数の側面から認知機能低下のリスクが重なる可能性があります。

ただし、足腰が弱くなれば必ず認知症になる、という単純な因果関係が証明されているわけではありません。 認知機能の初期変化が先に起こり、歩く速さや活動量が低下する可能性もあります。

このシリーズでは、足腰の低下、活動量、社会参加、気分、認知機能が互いにどのように影響するのかを、WHO、Lancet認知症委員会、日本の公的統計、世界各国の認知症予防研究をもとに検討していきます。

要介護の原因第1位は認知症

厚生労働省の「2025年(令和7年)国民生活基礎調査」によると、介護が必要となった主な原因を「要介護者等」全体でみた場合、認知症は16.7%で最も多く、高齢による衰弱の15.6%、骨折・転倒の14.6%が続きます。 [厚生労働省資料]

16.7%
要介護者等全体
認知症が第1位
23.6%
要介護者に限定
認知症が第1位

さらに、「要支援」ではなく「要介護」と認定された人だけをみると、認知症は23.6%で第1位です。次いで骨折・転倒が14.8%、高齢による衰弱が14.5%となっています。 この結果からも、認知症が要介護状態と深く関わる大きな課題であることが分かります。

一方、比較的軽度の「要支援者」では、高齢による衰弱が17.7%で最も多く、関節疾患が14.8%、骨折・転倒が14.7%と続きます。 介護が必要になる入口では、加齢に伴う全身的な衰えに加え、膝や股関節などの関節疾患、筋力低下や転倒といった身体機能の問題が大きな割合を占めているのです。

身体の問題と認知症を別々に考えない

この統計だけで「足腰の低下が認知症を引き起こす」とは言えません。しかし、介護の入口では身体機能の低下が多く、介護度が高くなると認知症の割合が大きくなります。身体機能と認知機能を完全に別の問題として扱うことには限界があります。

特に札幌は、冬になると雪や路面凍結によって外出機会が減りやすい地域です。 足腰に不安がある方ほど外出を控え、その結果、歩く量や人と会う機会がさらに減る可能性があります。

だからこそ、札幌市西区や琴似周辺で認知症予防を考える場合には、脳トレだけではなく、冬でも活動を継続できる身体づくりと環境づくりが重要になります。

認知症とは何か|単なる物忘れとの違い

認知症は、一つの病名ではありません。 アルツハイマー病、血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまな病気によって認知機能が低下し、日常生活に支障が出ている状態の総称です。

WHOは、認知症を、記憶、思考、判断、学習、言語などの認知機能が低下し、日常生活を送る能力へ影響する症候群として説明しています。 認知症は加齢による自然な変化だけではなく、脳の病気などによって起こります。 [WHO Dementia Fact Sheet]

認知症の症状は「忘れること」だけではない

認知症では、次のような変化がみられることがあります。

  • 少し前に聞いたことや経験したこと自体を忘れる
  • 時間、日にち、場所が分からなくなる
  • 買い物、料理、服薬、金銭管理が難しくなる
  • 言葉が出にくくなり、会話が続きにくくなる
  • 慣れた場所で道に迷う
  • 判断力や注意力が低下する
  • 意欲が落ち、外出や交流が減る
  • 不安、怒りっぽさ、無気力など行動や感情が変化する

加齢による物忘れとの違い

加齢による物忘れ:出来事の一部を忘れても、きっかけがあれば思い出せることがあります。

認知症による記憶障害:経験した出来事そのものを忘れ、同じ質問や生活上の失敗が繰り返されることがあります。

ただし、物忘れの程度だけで認知症かどうかを判断することはできません。 急激な変化、生活上の支障、道迷い、服薬や金銭管理の失敗、性格や行動の変化がみられる場合には、かかりつけ医、専門医療機関、地域包括支援センターなどへ早めに相談することが大切です。

認知症予防は世界共通の課題|日本だけの問題ではない

認知症は、日本だけの問題ではありません。 WHOによると、2021年には世界で約5,700万人が認知症とともに生活しており、その60%以上は低・中所得国に暮らしています。また、毎年およそ1,000万人が新たに認知症を発症するとされています。 [WHO Dementia]

認知症は、本人の記憶や判断力だけに影響するものではありません。 自立、尊厳、安全、仕事、家族関係、介護者の健康、医療・介護費など、身体的、心理的、社会的、経済的な影響が重なります。

認知症対策は「本人の努力」だけでは成立しない

認知症のリスクには、運動や喫煙など個人の生活習慣だけでなく、教育、所得、医療へのアクセス、聞こえや視力への支援、歩きやすいまちづくり、社会参加の機会なども関係します。本人へ「運動してください」と伝えるだけではなく、活動を続けられる地域や社会の仕組みが必要です。

WHOとLancet認知症委員会は、認知症の発症には変えられない要因だけでなく、対策可能な複数の要因が関係していると報告しています。 2024年のLancet認知症委員会では、高血圧、糖尿病、身体活動不足、聴力低下、社会的孤立などに加え、高LDLコレステロールと未治療の視力低下を含む14の修正可能なリスク因子が示されました。 [Lancet Commission 2024]

つまり、認知症予防は高齢になってから急に始めるものではありません。 若い時期からの教育、中年期の血圧や脂質管理、高齢期の身体活動、聴力・視力への対応、社会参加など、人生を通じて複数の要因へ対策する必要があります。

なぜ認知症予防は「脳だけ」を見ても不十分なのか

認知症の代表的な症状は、記憶や判断など脳の働きに現れます。 しかし、そのリスク因子をみると、認知症は脳だけを刺激すれば防げるものではないことが分かります。

血管と代謝

高血圧、糖尿病、脂質異常、喫煙などは、脳血管と全身の健康に影響します。

感覚からの情報

聴力や視力が低下すると、情報入力や会話、外出機会が減る可能性があります。

身体活動と足腰

筋力やバランスが低下すると、移動、運動、買い物、趣味を続けにくくなります。

心理・社会面

うつ、孤立、役割の喪失は、活動量や生活リズムとも相互に影響します。

脳トレや読書、趣味、学習など、頭を使う活動を否定する必要はありません。 しかし、それだけを行っていても、高血圧や糖尿病が放置され、身体活動が少なく、難聴によって会話が減り、外出できない状態であれば、認知症の複数のリスクに十分対策できているとは言えません。

第1部のまとめ

日本では認知症が介護を必要とする主な原因の第1位です。しかし、認知症予防は脳だけを鍛えることではありません。身体活動、足腰、血管の健康、聴力・視力、心理状態、社会参加を含め、生活全体で考える必要があります。

第2部へ続きます

第2部では、「認知症の約45%は予防・発症延期できる可能性がある」という研究結果の正しい意味と、足腰の衰えから活動量・社会参加・気分・認知機能へつながる悪循環について、文献をもとに詳しく解説します。

※本記事は一般的な健康情報です。認知機能や行動に急な変化がある場合、または日常生活に支障がある場合は、医療機関、かかりつけ医、地域包括支援センターへご相談ください。

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リハビリジム プライズネス
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