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40代からの筋トレは「重さ」だけでいい?筋パワーを安全に鍛える方法【札幌・琴似】

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40代からの筋トレは「重さ」だけでいい?筋パワーを安全に鍛える方法【札幌・琴似】

40代からの筋トレは「重さ」だけでいい?筋パワーを安全に鍛える方法【札幌・琴似】

2026/09/10

前回の記事では、加齢によって「筋力」だけではなく、 力を素早く発揮する能力=筋パワーが低下することを解説しました。

では、筋パワーを維持するにはどうすればよいのでしょうか。

「速さが大事なら、筋トレもとにかく速くやればいい」 と思われるかもしれませんが、そう単純ではありません。

【この記事の結論】
筋パワーを鍛えるポイントは、重い重量だけを追い求めることではありません。 適切な負荷を使い、フォームを保ったうえで「できるだけ速く力を出そうとする」ことが重要です。 高齢者向けの国際的な指針では、パワートレーニングの目安として40〜60%1RM程度の負荷が示されています。

普通の筋トレとパワートレーニングは何が違う?

一般的な筋力トレーニングでは、 「どれだけ大きな力を出せるようになるか」が重要な目的の一つです。

一方、パワートレーニングでは、 その力をどれだけ短い時間で発揮できるかを重視します。

項目 一般的な筋力トレーニング パワートレーニング
主な目的 最大筋力・筋肉量など 素早く力を発揮する能力
重要な要素 力+速度
動かし方 目的によってさまざま 力を出す局面を意図的に速く

例えばレッグプレスなら、 ゆっくり押し出すのではなく、 「できるだけ素早く押す」意識を持つという違いがあります。

ただし、戻す動作まで勢い任せにするわけではありません。 戻す局面はコントロールし、正しいフォームを維持することが重要です。

筋パワーを鍛える負荷は「40〜60%1RM」が一つの目安

高齢者の運動に関する国際的な専門家コンセンサスやNSCAのポジションステートメントでは、 筋パワートレーニングについて、 40〜60%1RM程度の中等度負荷で、力を出す局面を高速度で行う方法が示されています。[1][2]

1RMとは、「正しいフォームで1回だけ持ち上げられる最大重量」です。

例えば1RMが100kgなら、 40〜60%1RMは40〜60kg程度という計算になります。

ただし、「40〜60%なら誰でも安全」という意味ではありません。
年齢、運動経験、関節の状態、疾患、トレーニング種目によって適切な負荷は変わります。

なぜ軽すぎても、重すぎてもいけないのか?

筋パワーは、

パワー = 力 × 速度

で決まります。

非常に重い重量では大きな力を出せても、動作速度が遅くなります。 反対に、極端に軽ければ速く動かせても、発揮する力が小さくなります。

そのため、目的や種目に応じて、 力と速度のバランスを考えて負荷を設定する必要があります。

国際コンセンサスでも、筋パワーを最大化する負荷は身体部位や種目によって異なることが示されており、 すべての運動を一律の重量で行うものではありません。[1]

「速く動かす」より「速く動かそうとする」ことが大切

ここは、とても重要です。

パワートレーニングというと、 ものすごいスピードで重量を振り回すイメージを持つ方がいます。

しかし重要なのは、

正しいフォームを保ったまま、「できるだけ速く力を出そう」とすること。

実際に物体が高速で動いているかだけではなく、 神経系から筋肉に対して「素早く力を出す」指令を送ることが重要になります。

重量がある程度重ければ、本人が最大限速く動かそうとしても、 実際の動作速度はそれほど速くならない場合があります。 それでも、動作意図は通常のゆっくりしたトレーニングとは異なります。

40代から取り入れやすい筋パワートレーニング

パワートレーニングは、必ずしもジャンプや激しい運動を意味するものではありません。

身体機能に合わせれば、日常的な動きから始めることもできます。

1.椅子から素早く立ち上がる

安定した椅子から、姿勢を崩さずにできるだけ素早く立ち上がり、 座るときはゆっくりコントロールします。

立ち上がり動作そのものが難しい方は、 まず通常速度で安全に立てる筋力をつけることが先です。

2.レッグプレス

マシンを使用できる環境では、 適切な負荷を設定して「押す局面を速く、戻す局面をコントロールする」 方法があります。

負荷を客観的に設定しやすいため、 中高年や高齢者のトレーニングでも利用しやすい方法です。

3.ステップ動作

段差へのステップアップなども、 安全性を確保したうえで動作速度を意識することで、 下肢の素早い力発揮につなげることができます。

4.カーフレイズ

つま先立ちも、通常のゆっくりした運動だけでなく、 身体を安定させたうえで「素早く上がり、ゆっくり下ろす」といった方法があります。

ただし、どの運動も「速くすれば効果が上がる」というものではありません。 まず安全に正しい動作ができることが前提です。

筋力トレーニングは必要なくなるの?

いいえ。 筋力トレーニングも非常に重要です。

「筋力か、パワーか」という二者択一ではありません。

筋パワーは力と速度によって決まるため、 そもそもの筋力が不足していれば十分なパワーも発揮できません。

NSCAでは、高齢者のレジスタンストレーニングとして、 筋力向上を目的としたトレーニングと、 中等度負荷を高速で動かすパワートレーニングを組み合わせる考え方が示されています。[2]

筋力をつける。

その筋力を素早く使えるようにする。

この両方を考えることが、年齢を重ねても動ける身体づくりにつながります。

普通の筋トレよりパワートレーニングの方が効果的?

この点についても研究が行われています。

2022年のシステマティックレビュー・メタ解析では、 高齢者におけるパワートレーニングと従来型筋力トレーニングを比較したところ、 パワートレーニングは身体機能をわずかに改善する可能性が示されました。[3]

ただし、研究の確実性には限界があり、 「パワートレーニングの方が圧倒的に優れている」と言える段階ではありません。

大切なのは、 その人に不足している身体能力に合わせてトレーニングを選ぶことです。

中年・高齢者でも筋パワーは改善できる

加齢で筋パワーが低下するからといって、 「もう戻らない」ということではありません。

中年者・高齢者を対象とした研究でも、 高速度レジスタンストレーニングによって筋パワーを改善できることが報告されています。[4]

2026年に発表された研究でも、 中年者・高齢者が40〜60%1RMを用いた高速度レジスタンストレーニングを12週間行った結果、 筋パワーやForce-Velocity特性の改善が確認されました。[5]

一方で、改善の仕方にはかなり個人差があり、 もともと「力」が不足している人と「速度」が不足している人では、 必要な刺激が異なる可能性も示されています。[5]

これは臨床やトレーニングの現場では非常に重要なポイントです。

40代から大切なのは「とりあえず筋トレ」ではなく身体を評価すること

同じ40代でも身体能力はまったく違います。

  • 筋力そのものが不足している人
  • 筋力はあるが動作速度が遅い人
  • 柔軟性が低下している人
  • バランス能力が低下している人
  • 痛みによって十分に力を出せない人
  • 運動経験がほとんどない人

必要なトレーニングも当然違います。

だからこそ、

評価 → 理解 → 適切な運動 → 再評価

という流れが重要になります。

年齢だけを見て運動を決めるのではなく、 今の身体が「何ができて、何が不足しているのか」を確認したうえで、 運動を選択することが理想です。

パワートレーニングを始めるときの注意点

以下に該当する場合は、自己判断で高速運動を始めず、 医師や理学療法士などの専門家に相談することをおすすめします。

  • 運動時に胸痛や強い息切れがある
  • 血圧や心疾患について運動制限を受けている
  • 膝・股関節・腰などに強い痛みがある
  • 最近転倒した
  • バランスに不安がある
  • 手術後や治療中である
  • 筋力トレーニングの経験がほとんどない

特に運動初心者の場合は、 「速さ」を求める前に、正しいフォームと基礎的な筋力を身につけることが重要です。

よくある質問

Q. 40代の筋トレは何をすればいいですか?

まず基礎的な筋力を維持・向上させる筋力トレーニングが重要です。 そのうえで身体機能や運動経験に応じ、適切な負荷で素早く力を発揮するパワートレーニングを組み合わせる方法があります。

Q. パワートレーニングは何%1RMで行いますか?

高齢者向けの国際ガイドラインやNSCAでは、40〜60%1RM程度が一つの目安として示されています。 ただし種目、年齢、運動経験、身体機能によって適切な負荷は異なります。

Q. 高齢者が素早く筋トレしても大丈夫ですか?

適切に評価し、負荷と動作を調整したうえで行えば、高齢者でもパワートレーニングは実施できます。 ただし、痛みや疾患、バランス障害などがある場合は専門家による確認が必要です。

Q. パワートレーニングとはジャンプトレーニングのことですか?

違います。ジャンプもパワートレーニングの一つですが、 椅子からの立ち上がりやレッグプレスなどでも、適切な負荷で素早く力を発揮することでパワーを鍛えることができます。

まとめ|40代からは「強さ」と「速さ」の両方を

年齢を重ねても自分の足で歩き、階段を上り、 旅行やスポーツ、趣味を楽しみ続けるためには、 単に「筋肉をつける」だけでは十分ではありません。

必要な力を、必要な瞬間に素早く発揮できること。

これが筋パワーです。

40代は、まだ身体機能が大きく低下していない方も多い年代です。 しかし研究を見ると、筋力・筋パワーの変化はすでに始まっています。

だからこそ、 「動けなくなってから運動する」のではなく、 動けるうちから将来のための身体能力を維持していくことが大切です。

札幌・琴似のリハビリジム プライズネスでは、 理学療法士が身体の状態を確認し、 筋力・動作・歩行などを踏まえて一人ひとりに合わせた運動を提案しています。

「最近、以前より動作が遅くなった」 「将来も自分の足で歩き続けたい」 「自己流の筋トレでよいのか分からない」 という方は、一度現在の身体機能を確認してみることをおすすめします。


参考文献

  1. Izquierdo M, Merchant RA, Morley JE, et al. International Exercise Recommendations in Older Adults (ICFSR): Expert Consensus Guidelines. J Nutr Health Aging. 2021;25(7):824-853. doi:10.1007/s12603-021-1665-8
  2. Fragala MS, Cadore EL, Dorgo S, et al. Resistance Training for Older Adults: Position Statement From the National Strength and Conditioning Association. J Strength Cond Res. 2019;33(8):2019-2052. doi:10.1519/JSC.0000000000003230
  3. Balachandran AT, Steele J, Angielczyk D, et al. Comparison of Power Training vs Traditional Strength Training on Physical Function in Older Adults: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA Netw Open. 2022;5(5):e2211623. doi:10.1001/jamanetworkopen.2022.11623
  4. Schaun GZ, Bamman MM, Alberton CL. High-velocity resistance training as a tool to improve functional performance and muscle power in older adults. Exp Gerontol. 2021;156:111593. doi:10.1016/j.exger.2021.111593
  5. Schaun GZ, et al. High-velocity resistance training improves the force-velocity profile in middle-aged and older adults. GeroScience. 2026. doi:10.1007/s11357-026-02419-0
  6. Izquierdo M, de Souto Barreto P, Arai H, et al. Global consensus on optimal exercise recommendations for enhancing healthy longevity in older adults (ICFSR). J Nutr Health Aging. 2025;29(1):100401. doi:10.1016/j.jnha.2024.100401

※本記事は一般的な健康情報を目的としています。 疾患、痛み、手術歴、運動制限などがある場合は、医師・理学療法士などの専門家に確認したうえで運動を行ってください。

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