高齢者の筋肉を守る「たんぱく質」と運動|量の目安と食べ方を理学療法士が文献で解説|札幌 琴似
2026/07/10
フレイル・サルコペニア予防 | 理学療法士が文献ベースで解説
筋肉を守るには、運動が欠かせません。でも、それだけでは足りないのです。筋肉をつくる“材料”=たんぱく質が不足していると、いくら運動しても筋肉は十分に育ちません。そして高齢になるほど、必要なたんぱく質は増えるのに、実際の摂取量は減りがち。この記事では、高齢者に必要なたんぱく質の量と、上手な食べ方を、文献をもとに解説します。
監修:リハビリジム プライズネス(理学療法士) / 最終更新日:2026年7月10日 / 読了:約7分
高齢者は、若い人より“多く”必要
「たんぱく質は若い人のもの」というのは誤解です。むしろ逆。国際的な専門家グループ(PROT-AGE、ESPEN)は、健康な高齢者は1日あたり体重1kgにつき1.0〜1.2gのたんぱく質をとることを勧めています。病気や手術からの回復期には、さらに多い1.2〜1.5gが必要とされます。
・体重50kgの方 … 1日およそ 50〜60g
・体重60kgの方 … 1日およそ 60〜72g
・体重70kgの方 … 1日およそ 70〜84g
かつての基準(体重1kgあたり0.8g)は、高齢者には少なすぎると考えられています。
なぜ?「アナボリック抵抗」というしくみ
高齢になると、同じ量のたんぱく質をとっても、若い頃より筋肉がつくられにくくなります。これを「アナボリック抵抗」と呼びます。だからこそ、少量をだらだらではなく、1回の食事で、ある程度まとまった量(目安として25〜30g)をとることが大切です。
ポイントは、朝・昼・晩の3食に分けてとること。とくに朝食はたんぱく質が不足しがちなので、ここを増やすのが効果的です。研究では、多くの高齢者がこの推奨量に届いておらず、特に朝の摂取が少ないことが分かっています。
どんな食品に、どれくらい?
たんぱく質が多い身近な食品の、おおよその量です(1食で25〜30gを目指す目安に)。
・卵(1個)… 約 6g
・納豆(1パック)… 約 7〜8g
・豆腐(1/2丁)… 約 10g
・牛乳(コップ1杯)… 約 7g
・ヨーグルト・チーズ … 約 4〜5g
たとえば「朝食に卵+納豆+牛乳」を足すだけでも、不足しがちな朝のたんぱく質をぐっと補えます。毎食、手のひら1枚ぶんの肉・魚・卵・大豆製品を目安にすると分かりやすいです。
運動と組み合わせると、効果が高まる
やってはいけないこと
- ✕「食が細くなった」を、そのままにする まず減るのがたんぱく質。筋肉の材料が不足します。
- ✕朝はパンとお茶だけ、で済ませる 朝のたんぱく質不足は、筋肉づくりの大きな取りこぼしです。
- ✕運動せず、サプリだけに頼る 材料だけでは、筋肉は十分に育ちません。
リハビリジム プライズネスでできること
プライズネスでは、「運動」と「栄養」の両輪で、筋肉を守るお手伝いをします。
- 筋力を“見える化”して、運動で刺激 筋力測定やAI歩行解析で現状を確認し、個別の筋力トレーニングを行います。
- 生活に合わせた栄養のアドバイス 「まず朝にたんぱく質を足す」など、無理なく続けられる工夫をご提案します。
- フレイル・サルコペニアの予防に 筋肉を守ることが、転倒予防にも、自立した生活の維持にもつながります。
参考文献
1. Bauer J, et al.(PROT-AGE Study Group). Evidence-based recommendations for optimal dietary protein intake in older people. J Am Med Dir Assoc, 2013.(健康な高齢者は1.0〜1.2 g/kg/日、1食25〜30gの目安)
2. Deutz NE, et al.(ESPEN Expert Group). Protein intake and exercise for optimal muscle function with aging. Clin Nutr, 2014.(健康な高齢者1.0〜1.2、低栄養・疾患時1.2〜1.5 g/kg/日、運動との併用を推奨)
3. Cermak NM, et al. Protein supplementation augments the adaptive response of skeletal muscle to resistance-type exercise training. Am J Clin Nutr, 2012.(筋力トレ+たんぱく質で筋量・筋力の増加が高まる)
4. 高齢者ではたんぱく質摂取が推奨量に届かないことが多く、とくに朝食の摂取が少ない(複数の食事調査)。
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