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女性の2人に1人が90歳まで生きる時代へ|最新の平均寿命から考える健康づくり【札幌・琴似】

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女性の2人に1人が90歳まで生きる時代へ|最新の平均寿命から考える健康づくり【札幌・琴似】

女性の2人に1人が90歳まで生きる時代へ|最新の平均寿命から考える健康づくり【札幌・琴似】

2026/08/03

女性の2人に1人が90歳まで生きる時代になりました

「人生100年時代」 近年、この言葉を耳にする機会が増えました。 しかし、本当に100歳近くまで生きる時代が来ていることを、実感している方はどれくらいいるでしょうか。

厚生労働省は令和7年簡易生命表を公表しました。 この生命表は、日本人の死亡状況をもとに、その年に生まれた人が平均して何歳まで生きるのか、また何歳まで生きる人がどれくらいいるのかを推計した、日本で最も基本となる統計です。

今回の結果を見ると、日本は改めて世界でも有数の長寿国であることが分かります。

2025年 最新平均寿命

  • 男性 81.35歳
  • 女性 87.33歳

平均寿命だけを見ると、 「以前より少し延びたんだな」 くらいに感じるかもしれません。 しかし、本当に注目すべきなのは平均寿命ではありません。

それは、 90歳まで生きる人の割合です。

2025年の90歳まで生存する割合

  • 男性 26.7%
  • 女性 50.8%

つまり、 女性では約2人に1人が90歳まで生きる 計算になります。

90歳まで生きることは、 もはや一部の特別な人だけではありません。 今の日本では、 誰もが90歳近くまで生きる可能性を考えながら人生設計をする時代になったと言えるでしょう。

実際、皆さんの周りにも、 90歳を超えて元気に生活されている方が増えてきたと感じることはないでしょうか。 病院や介護施設だけではなく、 買い物や散歩をしている90代の方を見かけることも珍しくありません。

これは決して偶然ではなく、 医療、福祉、公衆衛生、栄養状態、生活環境など、日本社会全体が長い年月をかけて積み重ねてきた成果でもあります。

一方で、 私は理学療法士として22年以上、多くの高齢者の方と関わってきました。 そこで強く感じることがあります。

「長く生きること」と 「元気に生活できること」は、 決して同じではありません。

90歳まで生きる方が増えることは、とても素晴らしいことです。 しかし、その90歳を、 自分の足で歩き、 好きな場所へ出かけ、 家族や友人と会い、 趣味を楽しみながら迎えられるかどうか。 それとも、 介護が必要な状態で迎えるか。 この違いは、 人生の満足度を大きく左右します。

今回から始まるシリーズでは、 厚生労働省が公表した最新データをもとに、 「長生きできる時代だからこそ、本当に大切になること」 を、一緒に考えていきたいと思います。

日本人の寿命は、なぜここまで延びたのでしょうか?

今では男性81歳、女性87歳まで生きることが当たり前になりつつあります。 しかし、これは決して昔からそうだったわけではありません。

戦後間もない1947年(昭和22年)の平均寿命は、

1947年(昭和22年)の平均寿命

  • 男性 50.06歳
  • 女性 53.96歳

現在と比較すると、 男性は約31年、 女性は約33年も寿命が延びています。

わずか80年足らずで、 これほど寿命が延びた国は世界的にも多くありません。

では、 なぜ日本人はこれほど長生きできるようになったのでしょうか。


医学の進歩は、多くの命を救ってきました

寿命が延びた理由は一つではありません。

医療技術、公衆衛生、生活環境、栄養状態など、 さまざまな要因が積み重なった結果です。

例えば昔は、 肺炎や結核などの感染症で命を落とす方が今よりはるかに多くいました。

しかし、 抗菌薬(抗生物質)の普及やワクチン接種、 衛生環境の改善によって、 感染症で亡くなる方は大きく減少しました。

また、 高血圧や糖尿病などの治療薬も進歩しました。

以前であれば、 脳卒中や心筋梗塞で命を落としていた方が、 薬によって病気の進行を抑えられるようになりました。

さらに、 救急医療の発展も非常に大きな役割を果たしています。

救急車、 救命救急センター、 カテーテル治療、 脳卒中の血栓回収療法など、 「助からなかった命」が助かるようになったことで、 平均寿命は大きく延びました。


整形外科やリハビリテーションも大きく変わりました

理学療法士として感じるのは、 整形外科医療とリハビリテーションの進歩です。

例えば変形性膝関節症や変形性股関節症では、 人工関節手術が普及し、 以前であれば歩けなくなっていた方でも、 再び歩けるようになるケースが増えています。

骨折しても、 早期に手術を行い、 翌日からリハビリを開始することも珍しくありません。

脳卒中でも、 急性期から回復期、 生活期まで切れ目なくリハビリを行う体制が整ってきました。

つまり、 昔であれば寝たきりになっていた可能性のある方が、 再び歩けるようになったり、 自宅へ戻れるようになったりする時代になっています。

医学は「命を守る力」を大きく伸ばしました

感染症、 心臓病、 脳卒中、 がん、 骨折、 関節疾患。

これらに対する医療の進歩によって、 日本人は世界でもトップクラスの長寿国になりました。

しかし、 ここで一つ考えなければならないことがあります。

「長く生きられるようになった」 ことと、 「最後まで元気に生活できる」 ことは、 同じではないということです。

医学は寿命を延ばしてくれました。 しかし、 その延びた20年、30年を、 どのような身体で過ごすかまでは、 医学だけでは決めることができません。

ここから先は、 一人ひとりの日々の生活習慣や身体活動が大きく関わってきます。

医学だけでは「健康寿命」は延ばせません

私は理学療法士として22年以上、急性期病院、訪問リハビリ、そして現在のリハビリジムで、本当に多くの方と関わってきました。 脳卒中、骨折、人工関節手術、心臓病、がん、神経難病など、さまざまな病気を経験された方を支援してきました。

その中で強く感じることがあります。

医療は命を救うことはできます。 しかし、その後の人生までは決められません。

例えば脳卒中です。 以前であれば命を落としていた方も、現在では救急医療の進歩によって助かるケースが増えています。 心筋梗塞も同様です。 カテーテル治療などの発展により、多くの命が救われています。 人工関節手術によって痛みが改善し、再び歩けるようになる方も少なくありません。

これは本当に素晴らしい医学の進歩です。 だからこそ、日本は世界でも有数の長寿国になりました。

しかし、退院したあとも、その人の人生は続きます。 退院はゴールではなく、新しい生活のスタートです。


同じ病気でも、その後の生活は大きく変わります

私はこれまで、多くの患者さんを担当してきましたが、同じ病気であっても、その後の生活は人によって大きく違います。

退院後も毎日散歩を続ける方。 地域活動へ参加する方。 趣味を楽しむ方。 旅行へ行く方。

一方で、 「もう年だから」 「痛いから」 「転びそうだから」 と外出が減り、自宅で過ごす時間が増えてしまう方もいます。

もちろん、病気の重症度や家庭環境など様々な要因があります。 そのため、「努力が足りない」と言いたいわけでは決してありません。 しかし、同じ病気であっても、その後の日々の身体活動量には大きな差が生まれることがあります。

そして、その差は数か月では目立たなくても、数年、10年という時間の中で、身体機能や生活のしやすさに大きな違いとなって現れてきます。


身体は「使わない」と確実に衰えていきます

人の身体には、「使わなければ衰える」という特徴があります。 これは医学では廃用症候群と呼ばれています。

例えば、風邪をひいて数日寝込んだだけでも、脚の筋力が落ちたと感じた経験はないでしょうか。 高齢になると、その変化はさらに大きくなります。

歩く機会が減る。 立つ時間が短くなる。 階段を避ける。 外出しなくなる。

こうした小さな変化が積み重なることで、筋力やバランス能力は徐々に低下していきます。

活動量が減る悪循環

身体を動かす機会が減る
↓ 筋力が低下する
↓ 歩くことが大変になる
↓ さらに外出が減る
↓ 活動量が減る
↓ さらに身体機能が低下する

この悪循環は、膝や腰の痛み、転倒、さらには認知機能の低下などにも関係することが、多くの研究で報告されています。

つまり、医学が命を守ってくれたとしても、その後の生活の中で身体を動かす機会が失われてしまうと、健康寿命は短くなってしまう可能性があります。

だからこそ、これからの時代に本当に重要なのは、 「長く生きること」ではなく、「長く動ける身体を維持すること」 なのです。

65歳は人生のゴールではありません。ここから約20〜25年の人生があります

「65歳になったら仕事を引退。」 以前は、そのような人生設計が一般的でした。 しかし現在は、その考え方を少し変える必要があります。

厚生労働省の令和7年簡易生命表では、 65歳時点の平均余命は、

65歳時点の平均余命

  • 男性 19.68年
  • 女性 24.52年

つまり、 65歳を迎えた男性は平均して約20年、 女性は約25年の人生が続くことになります。

20年という時間は決して短くありません。 例えば、 小学校へ入学した子どもが社会人になるまでと同じくらい長い年月です。

「退職したらゆっくり過ごそう。」 もちろん、それも一つの人生です。 しかし、 その20〜25年間をどのように過ごしたいでしょうか。


皆さんは、どんな90歳を迎えたいですか?

旅行へ行く。 友人と食事へ出かける。 趣味を楽しむ。 孫と公園へ行く。 地域活動へ参加する。 買い物へ自分で行く。

こうした何気ない日常は、 歩けること、立てること、外出できること があって初めて続けられます。

一方で、 足腰が弱くなり、 転倒を繰り返し、 外出する機会が減ると、 生活の景色は少しずつ変わっていきます。

外へ出なくなる。 人と会わなくなる。 身体を動かさなくなる。 筋力がさらに低下する。

このような変化は、 ある日突然起こるものではありません。 何年もかけて少しずつ進行していくことが多いのです。

将来の身体は、突然変わるわけではありません

今日歩かなかったこと。 今日階段を避けたこと。 今日一日座って過ごしたこと。

その一つひとつは小さな出来事です。 しかし、 それが何年も積み重なることで、 身体は少しずつ変化していきます。


医学の進歩だけでは守れないものがあります

もちろん、 病気になれば病院で治療を受けます。 必要であれば薬も飲みます。 手術を受けることもあります。 リハビリを受けることもあります。

これらは非常に重要です。 私自身も理学療法士として、 医療の力によって多くの方が回復していく姿を見てきました。

しかし、 退院したその日からの生活までは、 病院が代わってくれるわけではありません。

毎日歩くかどうか。 家の中でも身体を動かすか。 食事をしっかり食べるか。 筋力を維持する運動を続けるか。

こうした積み重ねは、 誰かが代わりに行ってくれるものではありません。

だからこそ、 これからの超高齢社会では、 「医療」と「毎日の生活」 の両方が健康寿命を支える車の両輪になります。

第1回のまとめ

医学の進歩によって、 日本人は世界でもトップクラスの長寿国になりました。

しかし、 長く生きられるようになった今、 本当に大切なのは、 「どのような身体で、その長い人生を過ごすか」 です。

健康寿命は、 特別な一日の努力ではなく、 歩くこと、 立つこと、 食べること、 身体を動かすことなど、 毎日の生活の積み重ねによって形づくられていきます。

次回予告

平均寿命が延びたことは分かりました。 では、 「健康寿命」 とは何でしょうか。

実は、 長生きできても、 誰もが最後まで元気に生活できるわけではありません。 次回は、 「平均寿命と健康寿命の違い」 について、 最新のデータをもとに詳しく解説します。


これからの時代に本当に大切なのは「何歳まで生きるか」ではありません

今回ご紹介した2025年の簡易生命表では、 日本人の平均寿命はさらに延び、 女性では約2人に1人が90歳まで生きる時代になりました。

この結果を見て、 私は「長寿国日本」ということ以上に、 これからの医療や介護、そして私たち一人ひとりの生活のあり方が大きく変わる時代に入ったと感じています。

医学の進歩によって、 命を救える病気は確実に増えました。

  • 脳卒中で助かる人が増えた
  • 心筋梗塞で命を落とす人が減った
  • 人工関節によって再び歩ける人が増えた
  • がん治療も大きく進歩した
  • 感染症で亡くなる人も大きく減った

こうした積み重ねが、 現在の長寿社会を支えています。

しかし、 ここから先の人生は、 医療だけでは支えきれません。


これからの20年、30年を支えるのは毎日の生活です

薬は病気を治療します。 手術は身体を治します。 リハビリは身体機能の回復を支援します。

一方で、 毎日歩くか。 家から外へ出るか。 階段を使うか。 しっかり食事を食べるか。 身体を動かす習慣があるか。

こうした生活までは、 病院や医療だけでは代わってあげることができません。

私は理学療法士として22年以上、 多くの方と関わってきました。

その中で強く感じるのは、 将来の身体は、 特別な一日の努力ではなく、 毎日の積み重ねによってつくられる ということです。

健康寿命は「病院」で決まるのではなく、 「日々の生活」でつくられる

歩くこと。 立つこと。 食べること。 身体を動かすこと。 人と会うこと。 笑うこと。 趣味を続けること。

その一つひとつが、 10年後、20年後の身体につながっていきます。


このシリーズで伝えたいこと

今回のシリーズでは、 厚生労働省が公表した最新データをもとに、 健康寿命を延ばすために本当に必要なことを、 理学療法士の視点から分かりやすくお伝えしていきます。

平均寿命。 健康寿命。 要支援。 要介護。 そして、 日々の運動。

数字だけではなく、 「今日から何を始めればよいのか」 まで具体的に考えていきます。

このシリーズを読む順番

第1回
女性の2人に1人が90歳まで生きる時代へ (現在の記事)

次回 第2回
平均寿命と健康寿命は何が違う? 男性約8.5年、女性約11.6年ある「健康ではない期間」を考える


最後に

医学の進歩によって、 私たちは世界でも有数の長寿国となりました。

これは本当に素晴らしいことです。

だからこそ、 これから必要なのは、 「長く生きること」 から 「元気に生活できる期間を延ばすこと」 へ目を向けることです。

人生100年時代。 未来の身体は、 10年後に突然変わるわけではありません。

今日歩いた一歩。 今日立ち上がった一回。 今日食べた一食。 今日身体を動かした数分。

その積み重ねが、 将来の健康寿命につながっていきます。

ぜひ次回もご覧ください。 一緒に、「長く元気に暮らすために本当に必要なこと」を考えていきましょう。


次回の記事

第2回 平均寿命と健康寿命は同じではない 〜男性約8.5年、女性約11.6年ある「健康ではない期間」とは〜

「長生き」と「元気に生活できる期間」は同じではありません。 次回は健康寿命について、最新データをもとに詳しく解説します。

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