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睡眠の質を高める筋トレ方法|何回・週何回?理学療法士が運動処方を解説

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熟睡をつくる筋トレ方程式|何を・どのくらい・どう続ける?

熟睡をつくる筋トレ方程式|何を・どのくらい・どう続ける?

2026/09/17

前回の記事では、最新研究から、 「筋力トレーニングが睡眠の質を改善する有力な方法になり得る」 ことをご紹介しました。

では、ここからが本題です。

「何回スクワットをすればいい?」
「週に何回やればいい?」
「夜に筋トレしても大丈夫?」
「高齢になってからでも意味がある?」

こうした疑問について、今回は具体的に考えていきます。

最初に結論を言うと、睡眠改善のための運動は、 単純に「スクワット○回」と決められるものではありません。

プライズネスが考える「熟睡の方程式」

適切な筋力刺激
× 有酸素運動
× 日中の身体活動
× 継続
× 自分に合った負荷

まず知っておきたい。「疲れれば眠れる」ではありません

「睡眠のためなら、とにかく身体をクタクタにすればいい」 ということではありません。

運動には適切な負荷があります。

運動不足の方が突然激しい運動を行えば、 筋肉痛だけでなく、膝や腰などの関節痛につながることもあります。

高齢者の場合には、疲労が何日も残ってしまうこともあります。

反対に負荷が軽すぎれば、十分な運動刺激になりません。

重要なのは
「その人にとって適切な負荷」

睡眠改善のポイントは「1回」ではなく「継続」

高齢者5,005人をまとめた2025年のネットワーク・メタアナリシスでは、 運動による睡眠改善は5週間程度から臨床的に意味のある変化が認められ、 15週間程度まで効果が大きくなる傾向が報告されています。

昨日眠れなかった

今日スクワットを50回する

ではありません。

毎週、無理なく筋肉を使う生活を続ける

睡眠を考えるうえでも、運動を「習慣」にすることが重要です。

筋トレは週何回?まずは「週2回」が一つの目安

WHOでは、成人に対して、 大きな筋群を使った筋力トレーニングを週2日以上 行うことを推奨しています。

65歳以上では、それに加えて筋力・バランスなどを含む多要素運動を 週3日以上行うことが推奨されています。

一つの目安

筋力トレーニング:週2回以上

ただし、これは「睡眠専用の運動処方」ではありません。

健康、筋力、身体機能、フレイル・転倒予防などを総合的に考えた基準です。

運動習慣がまったくなかった方であれば、 いきなり毎日トレーニングする必要はありません。

まず週2回程度から身体を慣らし、 日常生活での歩行や外出を増やす方が現実的です。

睡眠のためには、どこの筋肉を鍛えればよい?

「睡眠に効く筋肉」という特定の筋肉が存在するわけではありません。

基本的には、全身の大きな筋肉を使うことを考えます。

部位 代表的な筋肉 運動例
太もも 大腿四頭筋 スクワット、立ち座り
お尻 大殿筋・中殿筋 スクワット、ステップ
太もも後面 ハムストリングス ヒップヒンジなど
上半身 胸・背中・肩周囲 プッシュ・プル運動

特に下半身には大きな筋肉が多く、 立ち座りやスクワットは取り入れやすい運動です。

ただし、本当の答えは「スクワットだけ」ではありません。

高齢者では「スクワットができるか」から考える

ここが、一般的な筋トレ情報と理学療法士による運動指導の大きな違いです。

例えば「スクワット10回×3セット」と書かれていても、 全員が同じ動作を安全にできるわけではありません。

  • 膝が内側へ入ってしまう
  • 腰が大きく丸くなる
  • 後ろへ転びそうになる
  • 膝だけを使って動いている
  • 椅子から立ち上がるだけでも大変

こうした方に、回数だけを伝えても適切な運動にはなりません。

スクワットをすることが目的ではありません。

必要な筋肉を、安全に、適切に働かせることが目的です。

筋トレだけでなく「有酸素運動」も組み合わせる

2025年の大規模なネットワーク・メタアナリシスでは、 高齢者の睡眠改善に高い効果を示したのが、 有酸素運動+筋力トレーニングでした。

そのため、

筋トレで筋肉へ刺激を入れる

ウォーキングや自転車で身体を動かす

日中の座っている時間を減らす

という考え方が現実的です。

「筋トレと有酸素運動、どちらが良い?」 という二択にする必要はありません。

両方を、その人に合わせて組み合わせる。

これが重要です。

夜に筋トレすると眠れなくなる?

「夜に運動すると身体が興奮して眠れなくなるのでは?」 という疑問もあります。

現在の研究では、 夕方から夜に運動すること自体が必ず睡眠を悪化させるわけではありません。

ただし、就寝直前に非常に強度の高い運動を行うと、 体温や心拍数が高い状態が続き、眠りに影響する可能性があります。

寝る直前に息が大きく上がるほど追い込む必要はありません。

仕事帰りに適度なトレーニングを行う程度であれば、 過度に心配する必要はないでしょう。

ただし個人差がありますので、 「運動した日の方が眠れるか」「逆に目が冴えるか」を自分でも確認することが大切です。

一番重要なのは「3か月後も続けられるか」

運動の研究を見ると、 回数、セット数、時間、強度といった数字に目が向きます。

しかし実際の運動指導では、さらに重要なことがあります。

その運動を、
3か月後も続けられますか?

膝が痛くなってやめる。
腰痛が出てやめる。
きつすぎてやめる。
何をすればよいか分からなくなってやめる。

これでは、どれほど科学的に優れた運動でも効果は期待できません。

そのため、

「何をするか」と同じくらい
「どうすれば続けられるか」が重要です。

ここに「理学療法士が運動を見る意味」があります

リハビリジム プライズネスが大切にしているのは、 単にトレーニングマシンを使って運動してもらうことではありません。

現在の筋力、姿勢、身体の動き、歩き方、痛み、既往歴、生活状況などを確認しながら、

「今、この方には
何が必要なのか?」

を考えます。

例えば同じ70代でも、 毎日5,000歩以上歩いている方と、 ほとんど外出していない方では必要な運動量が違います。

同じスクワット10回でも、 十分な負荷になる方もいれば、 ほとんど運動刺激にならない方もいます。

運動は「多ければ多いほど良い」のではありません。

身体を評価し、その人に必要な負荷を決め、身体の変化に合わせて調整する。

これが「運動処方」です。

プライズネスは「不眠症を治療する施設」ではありません

ここは大切なので明確にしておきます。

リハビリジム プライズネスは、 不眠症そのものを診断・治療する医療機関ではありません。

慢性的な不眠症では、認知行動療法(CBT-I)など医療的な介入が必要になる場合があります。

次のような場合は医療機関への相談も重要です。

・強いいびきや睡眠中の無呼吸を指摘される
・日中に強い眠気がある
・長期間ほとんど眠れない
・睡眠不足によって日常生活に大きな支障が出ている

一方で、

「最近ほとんど運動していない」
「以前より体力が落ちた」
「一日中座っていることが多い」
「外出する機会が減った」

という方にとっては、 日中の身体活動を見直すことには大きな意味があります。

よくある質問

Q.睡眠のための筋トレは週何回がよいですか?
「睡眠専用」の明確な回数は確立していません。健康づくりとしては主要な筋群を使った筋力トレーニングを週2日以上行うことが一つの目安です。
Q.スクワットは何回すれば眠れるようになりますか?
特定の回数を行えば眠れるというデータはありません。筋力や身体機能に応じた適切な負荷を継続することが重要です。
Q.ウォーキングだけでも睡眠に効果がありますか?
ウォーキングなどの有酸素運動も睡眠改善に有効とされています。最近の研究では、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせる方法も有力です。
Q.70代・80代から筋トレを始めても遅くありませんか?
遅くありません。ただし、筋力、バランス、関節の状態、既往歴などによって適した運動は異なるため、安全に実施できる内容から始めることが重要です。

まとめ|「熟睡」は夜ではなく昼につくられる

● 筋トレはまず週2回程度が健康づくりの一つの目安
● 下半身を含む大きな筋肉を使う
● 筋トレだけでなく有酸素運動も組み合わせる
● 一度だけ頑張るのではなく、数週間~数か月継続する
● 回数よりも「その人に合った負荷」が重要
● 痛みや身体機能に不安がある場合には運動内容を個別に考える

最高の枕を探すことも悪くありません。

しかし、その前に考えてほしいことがあります。

今日一日、
あなたの身体は十分に動きましたか?

身体を適切に使い、適切に疲れ、食事をとり、眠って回復する。

これは年齢に関係なく、私たちの身体が持っている基本的なサイクルです。

良い睡眠は、夜になってからつくるものではありません。
熟睡の準備は、昼間の身体づくりから始まっています。

自分には、どのくらいの運動が必要?

札幌市西区琴似の「リハビリジム プライズネス」では、 理学療法士が筋力・身体の動き・歩き方・痛みなどを確認し、 一人ひとりの身体に合わせた運動を行っています。

「運動した方がいいのは分かっているけれど、何をすればいいか分からない」 という方も、まずは現在の身体の状態を知るところから始めてみてください。

参考文献

Hirohama K, et al. PLoS One. 2024;19:e0301616.
Bahalayothin P, et al. Fam Med Community Health. 2025;13:e003056.
Xiong Z, et al. BMC Geriatr. 2025;25:1031.
World Health Organization. Guidelines on physical activity and sedentary behaviour. 2020.

※本記事は一般的な健康情報を目的としており、特定の疾患の診断・治療を目的とするものではありません。

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リハビリジム プライズネス
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