腰痛シリーズ【第1回】なぜ腰痛は慢性化するのか?その背景と日本の現状
2025/05/24
「腰痛」は、日本人が最も悩まされている身体の不調のひとつです。厚生労働省の調査によれば、男女ともに自覚症状の上位に「腰痛」がランクインしており、国民病とも言える存在です。
ですが、多くの方が「一時的な痛みだろう」「年のせい」と見過ごし、気づけば慢性化してしまっているケースも少なくありません。今回は、「なぜ腰痛が慢性化するのか?」という疑問を切り口に、日本と世界における腰痛へのアプローチの違いについて考えてみます。
■ 日本では“安静にする”が今も根強い
腰痛を感じたとき、「なるべく動かない方がいい」「無理しないように」と考える方が多いのではないでしょうか。確かに、**急性腰痛(ぎっくり腰など)**では数日の安静が有効なこともあります。
しかし、12週間以上続く慢性腰痛においては、むしろ“安静にしすぎること”が痛みの慢性化・筋力低下を引き起こす要因になることがわかっています。
■ さらに「受け身の治療」への依存も
腰が痛くなると、多くの方がまず向かうのが整体・整骨院・マッサージなど、いわゆる“受け身の治療”です。電気治療や牽引、指圧といった方法で一時的に痛みが和らぐこともありますが、
❗ 「痛みをとってもらう」ことに依存しすぎると、自分で治す力が育たないという問題もあります。
これらの施術はリラクゼーションや急性の不調に役立つ場面もありますが、慢性腰痛の根本的な改善には、“自ら動いて治す”アプローチが欠かせないとされています。
この「治してもらう文化」が強い日本では、「自分で体を動かして改善する」という世界標準の考え方がまだ広く知られていないのが現状です。
■ 世界では“動くこと”がスタンダード
イギリス(NICEガイドライン)やアメリカ(ACPガイドライン)など、海外の腰痛診療ガイドラインでは次のような方針が共通しています。
✅ 安静よりも日常的な活動の継続を勧める
✅ 痛みの恐怖や不安を減らすための教育と説明を重視
✅ 運動療法(ウォーキング、コアトレーニング、ストレッチなど)を第一選択とする
✅ 痛み=損傷とは限らないことを説明し、心理社会的要因にも配慮
つまり、腰痛に対して「積極的に動くこと」が、世界では標準的な対処法となっているのです。
■ なぜ日本では遅れているのか?
その背景には、日本の医療制度や国民性も関係しています。
医療機関でのリハビリには算定日数制限があるため、長期的な運動支援が困難
「運動=スポーツジム」のイメージが強く、慢性痛の改善=運動療法という発想が一般に広まっていない
「痛みは休むべき」という旧来の常識や、受け身的な治療への依存
■ だからこそ、今「運動の再教育」が求められている
「痛いから動かない」→「筋力が低下」→「さらに動けない」→「不安やストレスで痛みが増す」という悪循環を断ち切るには、**適切な運動と体の使い方の再学習(モーターコントロール)**が必要です。
次回は、この「モーターコントロールエクササイズ(MCE)」とは何か、なぜ注目されているのかをご紹介します。
【まとめ】
- 腰痛は動かないことで悪化することが多い
- 世界では「動く」ことが治療の基本
- 日本ではまだ“安静と受け身の治療”が主流
- 運動療法への理解と普及が、腰痛予防のカギ
💡次回:【第2回】モーターコントロールエクササイズとは? 〜“正しい動き”を再教育する方法〜
----------------------------------------------------------------------
リハビリジム プライズネス
〒063-0812
北海道札幌市西区琴似2条3-1-1 チェストオオイビル3階
電話番号 : 011-600-6048
札幌でパーソナルトレーニング
札幌の高齢者向けリハビリジム
札幌で痛みの根本からの改善なら
----------------------------------------------------------------------

