筋肉は脳を守る【第2回】筋肉は“脳を元気にするホルモン”を出している
2025/12/16
前回のブログでは、
認知症の前に、筋肉の衰えが始まっている
という最新研究をご紹介しました。
今回は、さらに重要なテーマです。
なぜ筋肉が脳を守れるのか?
その答えは、
筋肉が“脳に働きかける物質”を分泌している
という事実にあります。
■ 筋肉は「内分泌器官」である
これまで筋肉は、
- 体を動かすための器官
- 力を出すための組織
と考えられてきました。
しかし近年の研究で、筋肉はそれだけではなく、
ホルモンのような物質を分泌し、全身に影響を与える“内分泌器官”
であることが明らかになっています。
筋肉が運動によって分泌するこれらの物質は、
マイオカイン(myokines) と呼ばれています。
■ マイオカインとは何か?
マイオカインは、筋肉が収縮することで血液中に放出され、
脳・神経・血管・免疫系など、全身に作用します。
その中でも、認知機能と特に深く関係しているものがいくつかあります。
■ 脳の若さを支える代表選手「BDNF」
最も重要なのが BDNF(脳由来神経栄養因子) です。
BDNFには、
- 神経細胞を守る
- 神経同士のつながり(シナプス)を強化する
- 記憶や学習を支える
- 海馬での神経新生を促す
といった、脳の健康に不可欠な働きがあります。
これまでBDNFは「脳で作られるもの」と考えられていましたが、
最新研究では、
運動によって、筋肉からもBDNFが増える
ことが示されています。
運動後、血中BDNFは数時間から最大24時間ほど高い状態が続くとされ、
その間、脳は「刺激を受けやすい状態」になります。
■ 運動で増える“脳に良い物質”はBDNFだけではない
筋肉が分泌するマイオカインには、他にも重要なものがあります。
● Irisin(アイリシン)
運動によって増え、
海馬でのBDNF産生をさらに促進します。
記憶力や学習能力との関連が示されています。
● Cathepsin B
軽〜中等度の運動でも分泌され、
神経新生や認知機能改善に関係すると報告されています。
これらをまとめると、
筋肉を動かす → 脳を守る物質が出る → 脳が元気になる
という明確な流れが見えてきます。
■ 47年研究が示す「運動習慣のある人」の違い
前回紹介した47年間の縦断研究では、
運動習慣の有無によって、
- 筋力
- 心肺機能
- バランス能力
の低下スピードに明確な差が出ることが示されています。
これは単に「体力の差」ではなく、
長年にわたってマイオカインの恩恵を受け続けているかどうか
の差とも考えられます。
運動を続けている人ほど、
脳にとって良い環境が長く保たれている可能性があるのです。
■ 高齢者でもマイオカインは出るのか?
よく聞かれる質問があります。
「年を取ってから運動しても、意味があるの?」
答えは YES です。
研究では、高齢者でも、
- 適切な強度の運動
- 無理のない筋力トレーニング
- 継続できる運動習慣
によって、BDNFやIrisinが増えることが確認されています。
筋肉は、年齢に関係なく反応してくれます。
■ プライズネスが“運動の質”を重視する理由
リハビリジム プライズネスでは、
- ただ回数をこなす運動
- きつすぎる運動
- なんとなく行う運動
ではなく、
「脳を守る反応が起こる運動」
を大切にしています。
姿勢・歩行・筋力を評価し、
その人に必要な筋肉を、適切な強度で使う。
それが、マイオカインを最大限に活かす方法だからです。
■ まとめ:運動は“脳への投資”
運動は、
- 体力づくり
- 転倒予防
- 生活動作の維持
だけではありません。
筋肉を通じて、脳に良い環境をつくる行為
でもあります。
筋肉を動かすたびに、
あなたの脳は確実に守られています。
■ 第3回予告
次回は、さらに踏み込みます。
「脳より先に壊れる場所がある」
──筋肉と神経をつなぐ“神経筋接合部(NMJ)”の異変
なぜ歩行やバランスの乱れが、脳の変化と関係するのかを解説します。
----------------------------------------------------------------------
リハビリジム プライズネス
〒063-0812
北海道札幌市西区琴似2条3-1-1 チェストオオイビル3階
電話番号 : 011-600-6048
札幌でパーソナルトレーニング
札幌の高齢者向けリハビリジム
札幌で病気後の身体をサポート
----------------------------------------------------------------------

