筋トレは何週間休むと筋肉が落ちる?3週間休んでも戻る?研究を理学療法士が解説|札幌
2026/10/01
筋トレは途中で休んでも大丈夫?
6か月間「続けた人」と「休みながら続けた人」を比較した研究
「筋トレは毎週ずっと続けないと意味がない」
「少し休んだら、せっかくつけた筋肉が全部落ちてしまうのでは?」
そんな不安を感じたことはありませんか?
仕事が忙しくなったり、旅行に行ったり、体調を崩したりすると、 どうしてもトレーニングできない時期はあります。
今回のテーマ
「筋トレを6か月間ずっと続けた場合」と 「途中で休みながら続けた場合」で、 筋肉のつき方に違いはあるのでしょうか?
今回紹介する研究
今回紹介するのは、2013年に European Journal of Applied Physiology に掲載された研究です。
論文タイトル
Comparison of muscle hypertrophy following 6-month of continuous and periodic strength training
日本語では、 「6か月間の継続的・周期的筋力トレーニングによる筋肥大の比較」 といった内容です。
研究では、若い男性14名を2つのグループに分けました。
① 継続グループ
24週間、休まず継続して筋力トレーニングを実施しました。
② 途中で休むグループ
6週間トレーニング → 3週間休止 という周期を繰り返しました。
どんな筋トレをしたの?
両グループとも、基本的には同じトレーニングを行いました。
種目:ベンチプレス
強度:1RMの75%
回数:10回 × 3セット
頻度:週3回
1RMとは、 「1回だけなら持ち上げられる最大重量」 のことです。
その約75%の重さですので、ある程度しっかり負荷をかけた筋力トレーニングになります。
結果はどうなった?
24週間後、筋肉の大きさも筋力も、両グループの改善量はほぼ同程度でした。
つまり、
毎週ずっと筋トレを続けた人
と
途中で3週間休みながら筋トレした人
を比較すると、 6か月後には筋肥大や筋力の改善に大きな差がみられなかった という結果でした。
休んでも筋肉は落ちなかったの?
ここは誤解しないように注意が必要です。
「3週間休んでも筋肉がまったく落ちなかった」 という研究ではありません。
トレーニングを3週間休むと、 筋肉の大きさや筋力は一時的に低下しました。
ところが、筋トレを再開すると、 筋肉や筋力が再び比較的速く増えていきました。
その結果、24週間後には、休まず続けていたグループと ほぼ同じところまで到達しました。
イメージすると
継続グループ
筋トレ → 筋トレ → 筋トレ → 筋トレ → 筋トレ
↗ ↗ ↗ ↗ ↗
途中で休むグループ
筋トレ → 休み → 筋トレ → 休み → 筋トレ
↗ ↓ ↗ ↓ ↗
途中では筋肉量や筋力が下がっても、 再開することで再び取り戻していった というのが、この研究の重要なポイントです。
「マッスルメモリー」とも関係する?
一度トレーニングした身体は、 完全にゼロから筋トレを始める場合とは違い、 再びトレーニングを始めたときに、 以前の状態へ戻りやすい可能性 があります。
このような現象は一般的に、 「マッスルメモリー(muscle memory)」 と呼ばれています。
今回の研究でも、休止期間のあとにトレーニングを再開すると、 筋肉や筋力が再び大きく伸びていました。
「休んだ方が筋肉がつく」という意味ではありません
「では、6週間運動して3週間休んだ方がいいの?」
これは少し違います。
今回の研究は、 休んだグループの方が筋肉が大きく増えた という結果ではありません。
あくまでも、
途中で3週間休む期間があっても、その後にトレーニングを再開することで、 6か月後には継続していた人と同程度まで改善した
という結果です。
筋トレは「完璧に続ける」必要はありません
トレーニングを続けていると、
- 仕事が忙しくなった
- 旅行に行った
- 体調を崩した
- 家族の予定が入った
- しばらくジムに行けなかった
ということは、誰にでもあります。
そんなとき、 「2〜3週間休んだから、もう意味がない」 と諦める必要はありません。
「一度も休まないこと」よりも
「休んでも、また始めること」
一時的に筋力や筋肉量が低下することはあっても、 再び運動を始めることには十分意味があります。
高齢者にも同じことが言える?
ここは注意が必要です。
今回の研究対象は、 若い男性14名 です。
また、トレーニング内容もベンチプレスが中心でした。
そのため、
- 70代・80代・90代の方
- 病気や手術後の方
- 筋力が大きく低下している方
に、まったく同じ結果が当てはまるとは限りません。
特に高齢になるほど、運動量や活動量が減った際に 身体機能が低下しやすいため、 できる範囲で身体を動かし続けることは重要です。
ただし、 「少し休んでしまったから、もう遅い」 ということではありません。
年齢に関係なく、再び身体を動かしていくことが大切です。
理学療法士として伝えたいこと
実際に運動指導をしていると、
「最近忙しくて、全然運動できませんでした」
「旅行で2週間休んでしまいました」
「しばらく休んだから、筋肉が全部落ちましたよね?」
と心配される方がいらっしゃいます。
もちろん、長期間身体を動かさなければ、 筋力や体力は徐々に低下していきます。
しかし、
少し休んだからといって、 それまで積み上げてきたものが すべてゼロになるわけではありません。
大切なのは、 そこで完全にやめてしまわないこと。
またできるところから始めればいいのです。
筋力トレーニングは、 数週間、数か月という短い期間だけで考えるのではなく、
何年、何十年という長い視点で続けていく
ことが大切だと考えています。
まとめ
今回の研究では、
✔ 24週間ずっと筋トレを続けたグループ
✔ 6週間筋トレして3週間休むことを繰り返したグループ
を比較しました。
その結果、 24週間後の筋肉量・筋力の改善は、両グループでほぼ同程度 でした。
「少し休んだら全部ムダ」ではありません。
休むことがあっても、
また始めることが大切です。
筋トレは100点満点で続ける必要はありません。
体調や生活に合わせながら、 無理なく長く続けていきましょう。
参考文献
Ogasawara R, Yasuda T, Ishii N, Abe T.
Comparison of muscle hypertrophy following 6-month of continuous and periodic strength training.
European Journal of Applied Physiology. 2013;113(4):975-985.
doi:10.1007/s00421-012-2511-9
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